その他インカムファンド

【守護神】モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式(予配・為替ヘッジなし)は優良インカムファンドか?

2024年6月22日

こんにちは。かわ吉です。

かわ吉ブログでは、優良インカムファンドを探し続けている。

アライアンスバーンスタイン米国成長株投信Dや世界のベストを上回るインカムファンドはそうそう見つからない。それどころか、比較すればするほどこの2ファンドが最強であることが証明される。

言われなくてもそんなことは分かっている。

でも分かっていても新しいインカムファンドは探さなければならない。

なぜならブログのネタがないから。というのは半分本気で半分冗談。

確かにかわ吉ブログはネタ切れがち。でもね、新しいインカムをファンドを探し続ける合理的な理由ももちろんある。

個人的に考える探し続けるメリットは以下。

メリット

①機会損失を避けることができる

⇒未来永劫繁栄し続けるファンドはない。そのように考えると特定のファンドを妄信し続けるのは危険。これはABDや世界のベストも同じ。インカムを狙うにあたってこれらのエース級インカムファンドより優れたインカムファンドがあるのであれば乗り換えるべき。

②自分の保有しているインカムファンドがいかに優秀か再認識することができる

⇒特にエース級の毎月決算型ファンドであるABDや世界のベストを比較対象にすると大半のファンドがぼろ負け。もはやABDや世界のベスト以外のインカムファンドのホルダーは比較しない方が良いかもしれないと思うほど。

いずれにせよ良いインカムファンドを探し続けることは大きなメリットがある。悪いパフォーマンスのファンドを長期間保有することによって発生する機会損生を避けることができるし、自分の保有しているファンドがいかに素晴らしいか再認識することができる。

でもファンドを分析するのは手間がかかるし時間がかかるし時間がもったいない。

投資はあくまで人生を豊かにする1つの手段に過ぎない。だから、投信の分析に大切な時間を使う。

今回、紹介するインカムファンドは、モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式(予配・為替ヘッジなし)。

結論、このインカムファンドは、リスクを抑えながらインカムを狙いたい投資家は検討の余地がある。さらに、ABDや世界のベストとは異なるポートフォリオとなっており分散投資の対象としても有効かも。

ということで、今回はこのファンドについて解説する。

この記事が読者のインカムライフの一助になれば幸い。

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当ファンドの概要

まずはこのファンドの概要について解説する。

ファンドの特色は以下。

主な概要は以下。

設定日は、2020年10月21日であり、運用歴は4年超。まだまだ若いファンド。

注目すべきポイントは以下。

①純資産

純資産は1,009億円であり、早期償還リスクは低い。魔の30億円は上回っている。めちゃくちゃ多くはないが安全圏内。償還日は2037年であり長期保有もOK。

②基準価格

たこ足分配にはなっていない。基準価格は10,000円以上をキープ。予想分配金提示型だから仕組上、たこ足分配にはなりにくい仕組みでOK。

③運用管理コスト

運用管理コストは平均的なアクティブファンドよりは高め。ただ、エース級のインカムファンドであるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信や世界のベストより高い。

④投資対象は全世界株式

投資対象は全世界株式。ポートフォリオは米国株60%で構成。その他はイギリスとアイルランドで構成。

ポートフォリオの構造と特徴

次は、モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式(予配・為替ヘッジなし)のポートフォリオの構造と特徴について解説する。

組入上位10銘柄

マイクロソフトなどの大手IT企業に加えてVISAやコカ・コーラなどの老舗企業も上位に組み込まれている。

セクター別投資比率

情報技術、生活必需品、ヘルスケアの比率が高い。これらのセクターで全体の60%超を占める。

ただ、これだけではポートフォリオの特徴がイメージしにくい。情報技術セクターの比率が高いことでどのような影響があるのか理解することが大切。

そのためにもまずは、セクター別投資比率をもっとシンプルに整理する必要がある。

かわ吉ブログでは、各セクターを大きく3つに分けて考えるようにしている。

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参考:ポートフォリオを以下の3つに分けることで、そのファンドのリスクがざっくりではありますがイメージできる。

①金利敏感株:金利動向の影響を強く受ける銘柄でリスク度合いが大きい

②景気敏感株:景気動向の影響を強く受ける銘柄でリスク度合いは大きい

③ディフェンシブ株:金利動向や景気動向に左右されにくい銘柄で比較的リスク度合いが小さい

このファンドのポートフォリオを3つに分けた結果は以下。

グレー部分のディフェンシブ株の比率が高い。これは、最近紹介したインカムファンドでは新しい傾向。

このファンドの得意な局面と苦手な局面

このファンドの得意な局面と苦手な局面は以下。

得意な局面:金利低い&景気弱い

苦手な局面:金利高い&景気強い

当ファンドの分配金利回り

ここからはこのファンドの分配金利回りについて解説する。結論、分配金利回りは弱い。

参考:このファンドは予想分配金提示型。予想分配金提示型は、基準価格に応じて受け取れる分配金があらかじめ決まっている。このファンドの分配方針は以下。アライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・DはMAX500円が狙えるけど当ファンドはMAX300円である点には注意。

このファンドの分配金利回りは、0.2%~11.7%で推移。ABDや世界のベストと比較すると弱い。

設定来の分配金利回りの推移は以下。

エース級のインカムファンドとの比較

ここからは、エース級のインカムファンドであるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信Dコース・世界のベストとこのファンドを比較してみる。

比較ポイントは以下の4つ。

①リターン

②リスク

③組入上位10銘柄

④分配金利回り

これらを比較すればこのファンドの特徴がイメージしやすくなると思われる。

①リターン

リターン結果が以下。

2022年の金利急騰局面でのリターンは、安定していたが金利上昇が一服してからは厳しい。2024年は明らかにその他のファンドにアウトパフォームされている。きっちぃ。。。

直近1年で見るとより出遅れ感が強い。相場が悪い時には強いけど、イケイケドンドン相場では敬遠されがち。それがディフェンシブ株。

②リスク

見るべきはリターンだけではダメ。リスクも見ないと、下落局面で予想以上の含み損を抱えて狼狽売りリスクが高まるから。投資は、良いところも悪いところも知って投資しよう。結婚は、良いところしか見ずに判断するから失敗するんだよ??

ということで比較した結果が以下。

基本的にはリスク低めなポートフォリオ。

③組入上位10銘柄

続いて組入上位10銘柄について比較する。ぶっちゃけ優良なインカムファンドのポートフォリオってアライアンスバーンスタイン米国成長株投信か世界のベストに似たものが多い。どちらにも似せずに良い分配金実績を出すファンドは見たことない。

だから、分配金実績のみでファンド選びをすると似たようなポートフォリオのファンドに投資してしまうリスクが高い。商品を分散してもポートフォリオが似ていれば分散投資にはならない。ということは、組入上位10銘柄はチェックしておいた方が良いんだ。

と言うことで組入上位10銘柄と比較した結果は以下。

組入銘柄は、ABDが3銘柄、世界のベストが2銘柄被っている。

前述したセクターを3つ(金利敏感株・景気敏感株・ディフェンシブ株)に分けると圧倒的にディフェンシブ株の比率が高い。これは新しいパターン。

④分配金利回り

最後に分配金利回りの比較をする。

毎回、分配金利回りを比較するタイミングで俺は絶望するんだ。だって紹介するファンドの分配金が毎回弱すぎるから。頑張って良いとことを見つけようと頑張るけどフォローもできないお粗末レベル。

今回は、微妙な結果となった。

2021年以降は安定している。けど、低い水準で安定しているから、インカム投資家としては少し物足りないかも。このデータだけ見れば、分配金の安定感が欲しい人は世界のベストでいいじゃんとなる。

このファンドに投資すべき人

このファンドに投資すべき人は、リスクを抑えながらインカムを狙いたい投資家。

ABDや世界のベストへの投資比率が高くて、分散投資のための商品としても有効だと思われる。

松井証券は活用できない

今回の記事を読んでモルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式(予配・為替ヘッジなし)でインカムを狙おうと考えた人。

どこでこのファンドを買うつもり?もしかしてSBI証券や楽天証券ではないよな?やめてくれよ。そんなもったいないことは。(倒置法)

高い運用管理コストは資産形成の大敵。資産形成するのに年間2%前後の運用管理コストをチューチュー吸われている場合じゃねえ。

高い運用管理コストは保有する証券会社を選べば取り返すことができる。それは松井証券。

ただ今回も使えない。なぜならこのファンドは松井証券で買えないから。キツイ過ぎる。

このファンドを紹介しても収益化できないじゃないか。

ちなみに販売会社は以下。

守りのインカムファンド

モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式(予配・為替ヘッジなし)は、守りのインカムファンド。リスクを抑えてインカムを狙いたい投資家には最適なファンドの1つになるかも。

ただ、分配金利回りの低さには要注意。組入銘柄がディフェンシブ株中心でキャピタルゲインは少ない。インカム投信の分配金原資は組入銘柄のキャピタルゲインとインカムゲイン。2つのうちの1つ(キャピタルゲイン)が弱いから分配金利回りが低いのはしょうがない。

リスク分散で低リスクのファンドに投資しながらインカムを狙うか、ABDや世界のベストの下落局面を待って押し目買いするしてリスク低減するか。前者の投資戦略を取る場合に、このファンドは検討する価値があると思う。

以上、お役に立てれば幸い。



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